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【読観小評:アニメ】ヴァイオレット・エヴァーガーデン (NETFLIX)

 本を読むこととテレビで洋画を観るのが好きな子供が、いい年になってからマンガとアニメに目覚めてしまいました。

 専門家ではないのでタイトルに評とあっても評論なんて大層なことは書けません。ジャンルに偏りもあって気になったものについて勝手に語ります。興味をもっていただけたら嬉しいです。

思いが強い作品は熱くなってネタバレするかもしれないのでご注意ください。

 

今回の作品は

ヴァイオレット・エヴァーガーデン

 

 実は恥ずかしながらNETFLIXで見つけるまでこの作品のことは知りませんでした。アニメのサムネを見ていてちょっと気になる絵が目に入ったのがヴァイオレットでした。特に二次元女子が好きな訳ではなく、現実の女性に普通に興味を持てる人間ですが、でも綺麗な絵には目を奪われます。

 そんな気持ちで何の気なく見始めたものでしたが、すぐに映像に圧倒されてしまいました。恥ずかしついでに白状しますと、作品自体を知らなかったので無理はないのですが、第一話を見終わるまで京アニ作品だということも知りませんでした。なのでその分映像を見たときの衝撃は大きなものでした。まあエンディングロールを見て「なるほどそうだったのか〜」と心から納得しました。

 最近はいろいろなところで綺麗な映像を見ることが多くなり喜ばしいのですが、それでもやはり京アニはさらに凄いと思い知らされました。

 とにかく光と水が素晴らしいんですよね。特に水の透明感。別の作品ですが「FREE」という水泳のアニメがあるのですが、そこでの海とプールの水の透明感は実写を超えていると言いたいくらいのクオリティーです。そういう水の美しさは本作品でも十分に描かれています。とはいうものの本作で水は風景に映り込む湖とか限られたシーンでしか見ることができませんが、そのわずかなシーンでも引き込まれるような素晴らしさです。

 人の描画、描写と動きは今更言うまでも無い事ですが、素敵な衣装や髪がなびく様はやはり実写を超えていると言っても過言では無いかと。

 

 ちょっと感動しすぎました。映像語りで熱くなりすぎましたね。

 

 

 主人公のヴァイオレットは身寄りがなく、戦争中に「武器」として扱われ、その戦闘力は敵味方から恐れられるほどであった。そんな彼女はギルベルト少佐の元に預けられ、ヴァイオレットという名を授かりレディとして扱われる。ヴァイオレットにとって少佐は何ものにも代えがたい存在で、命をかけても守りたいと思う。少佐もヴァイオレットを大切に思い、自分を守るためにヴァイオレットが盾になることを望まず戦地から遠ざけようとした。敵に包囲された二人はお互いを死なせまいとして・・・

 戦地から戻ったヴァイオレットは両手を失い両手ともに義手となった。治療も終え退院したヴァイオレットは後見人であるエヴァーガーデン家に引き取られるが、戦うことしか知らないヴァイオレットは家の中で「普通の人」として振舞うことができない。エヴァーガーデン家の手に余ったヴァイオレットは同じく後見人の一人であるホッジスを頼りCH郵便社で働くことに。そこで彼女は自動手記人形=ドールと呼ばれる手紙代筆業を希望する。手紙を書き、言葉を知ることで「愛してる」を知りたいと。

 相手からの依頼や要望は「命令」としか理解できず、自分の発する言葉も簡単明瞭な「報告」にしかならない彼女が仲間や手紙代筆の依頼者と触れ合い、心豊かに成長していく。

 

 というお話です。ドールになりたてのヴァイオレットは、軍人が抜けず一般社会の常識や通例が理解できていないため、同僚ともお客ともトラブルの連続でとても心配になります。でも彼女も悪気は無いどころか全て真面目で周囲とのギャップが理解できずに彼女なりに苦しんでいるのでいつしか見ていて応援する気分になっていました。

 ヴァイオレットは終始感情の起伏が無いので、相手の反応を見て一喜一憂することが多いのですが、感情を理解していくうちに表情は変わらないものの言動に変化が現れ、つい、彼女に関わった人々の涙や笑顔につられて感動してしまいました。

 

 まあ恋愛ものではありませんが、アクションや推理があるわけでもなく、恋愛ものに近い緩さでお話が進みます。恋愛ものはどちらかというと苦手な方なのですが、素敵なストーリーと素晴らしいアニメーションで見る方は緩むことなく引き込まれました。

 文章力がないので仮にネタバレをするとしてもこの作品の魅力を伝えることができないのが本当に歯がゆく思います。だから自分で見てね!ということなんですが。

 

 ちなみにですが、外伝の1作目はあの痛ましい事件のせいで公開延期に。

 外伝2作目は事件の後に製作したという、大変な時期に生み出された作品ですが、2作目の以前と変わらない素晴らしい映像を見て、京都アニメーションの復活を喜ぶとともに改めてすごさと、製作の方々の映像にかける情熱と執念を見た気がします。

 

 文才がなくて、自分の感動度合いも子供の感想文ほども表現できていないのが悔しい限りですが、悔しがってもすぐにはどうにもできないのでこの辺で。