into Sunny side

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ショーン・コネリー(憶

名優、ショーン・コネリーさんが亡くなったと報道されました。90歳という年齢を聞いてしまえばさもありなんという感じですが、なじみのある役者さんが亡くなってしまうと喪失感はあります.

 

 ショーン・コネリー  1930年  スコットランド出身

 

日本では「イギリス」「英国」と言ったり表記したりしますが、実際は略称が「ユナイテッドキングダム(連合王国)」であり、「グレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国」というのが正しいそうです。著名人でもスコットランド出身とかウェールズ出身とか、連合国民であっても出身国の矜持の強い人がいますが、ショーン・コネリーさんもその一人で、スコットランドの分離独立を支持していたそうです。

 

ちょっと横道にそれましたが、どうも「英国人」というとこの辺の矜持の深い人が多い印象で、そういう人々は意志や主張が強く話を聞いても心に響くことがありますね。

 

ショーン・コネリーさんもそういう背景からなのか、スクリーンを観ても意志の強さを感じられます。

初めて観たのはやはり代表作のジェームス・ボンドでしたが、あの意志の強そうな、常に自分を一段上に置いているような、あの表情が無敵のエージェントにとてもマッチして、もう初見でジェームズ・ボンドショーン・コネリーを定着させられてしまいました。

おかげで次のジェームズ・ボンドを演じたロジャー・ムーアに慣れるのにしばらく時間を要したくらいです。実はロジャー・ムーアの前に他の人が演じた作品があるようですが、ビジュアル的に記憶にありません。

 

ジェームズ・ボンド以降で観たのが「アンタッチャブル」でした。年表を見ると「オリエント急行殺人事件」の方が先だったようですが、恥ずかしながら「オリエント急行殺人事件」は相当後になって観ました。

なので久しぶりにショーン・コネリーを観たわけですが、「あのジェームス・ボンドの」という枕が不釣り合いなくらいイメージが変わっていて、もちろんお年を召されていたのは間違いありませんが、あのカッコいいスパイの人が、酒にやられた引退目前のおまわりさんに。

年を重ねても、若い頃カッコいいで売ってた人はそのカッコいい影を引きずってどこか陳腐な感じになる人が少なくないと思っていますが、この時のショーン・コネリーを観た瞬間ジェームズ・ボンドは違う人になりました。

 

アンタッチャブル」でも「インディージョーンズ」でも、年と経験を重ねた頑固オヤジの風貌で、「インディージョーンズ」ではコミカルな演技もされ、「レッド・オクトーバーを追え!」ではロシアの軍人と、まさに変幻自在・自由自在と言ったところです。

 

乏しい記憶では(間違っていたら本当に失礼ですが)、「アンタッチャブル」以降、重要な役ではありながらメインの主役の印象がありませんが、その重要な役もショーン・コネリーだからこそ作品に大きな影響を与えたに違いありません。

 

2006年に引退宣言をされましたので、生きていたとしても新作でお目にかかることはすでに無くなっていましたが、いざ亡くなられてしまうと文字通り「時代」が代わっていくものだとあらためて感じる次第です。

 

天上でも、あの頑固でカッコいい佇まいで周囲を魅了されますように。