into Sunny side

陽向でのんびりするために 思考する場所です

自動運転体験

 少し前からになりますが、クルマに安全運転支援システムというものが搭載されることがかなり一般的になって、テレビCMなどでも「サポカー」とか「サポカー補助金」などという言葉をよく耳にします。 ゆくゆくは支援システムの搭載されないクルマは売れなくなる時代になるでしょう。

 その運転支援システムですが、初期の発表の頃は「自動ブレーキ」を過信してぶつけてしまうなどという話も記憶にあります。メーカーはあくまでも「自動ブレーキ」は「衝突軽減」とか、最近のシステムでも「支援」なのだから正しく運転しましょう、と言っています。まだまだ自動でお迎えに来てくれる時代にはなりそうにありません。

 体験した人の話を聞くと、便利だとか楽だとか、手放しはできないものの良い評価しか聞きません。果たして?ということで我が家の軽自動車にもそれっぽいものが付いているようなので試してみました。

 

実験車

 実験車という訳ではなく我が家で普通に使用しているクルマです。

 あえてメーカー・車種はここでは明らかにしませんが、軽自動車で「自動運転レベル2」に相当する性能とのことです。車種伏せたところで機能とか見てもらえば車種まで絞り込めるかもしれませんが、良いことばかり言わないかもしれないので伏せておきます。

 

 ちなみに自動運転のレベルですが、

 レベル1・ステアリング、加減速のどちらかを車がサポートする。

 レベル2・システムがクルマのステアリング操作、加減速のどちらもサポートする。

 レベル3・特定の条件で全ての操作を自動で行う。緊急時は人が操作。

ということです。本当はレベル4より上もありますが、今のところ実在しないのでここまでにしておきます。

 

 レベル2言っても基本的に高速道路でしか機能しませんので、納車時には説明を受けただけでほんとんど理解していません。

なので取扱説明書を見てみると

    ・車線維持支援

    ・車速維持(オートクルーズ

    ・前車追尾(監視?)

の機能があって、時速65㎞以上で機能するとのことです。

 ちなみに、前車監視は自動ブレーキの関係か、街中でも効いているようで、ちょうど自分が交差点に入る時に信号が変わって停車しようとしても、前の車が進んだと警告してくれます。信号までは見てくれていないようで、これでは無人のお迎えなんて危なくて頼めませんね。

 なので従順に信じやすい人は、「あ、警告出たから進まなきゃ」なんて言って赤信号を突っ込んだりしないように気をつけていただきたいですね。そんな人いないと信じたいですが。

 

車線維持支援

 早速お試しですが、ちょうど用事で乗った道が、速度はそこそこで流れていたのですがクルマが多くて速度が一定しない感じだったので、とりあえず車線維持機能だけ使ってみました。 

 

「自動運転」では無いのでさすがに手放し運転はしてはいけません。なのでハンドルを握ったまま力だけ緩めてみます。

   まっすぐ走っている分には当然ですが特に何も感じなかったものが、カーブで確かに勝手にハンドルを切ってくれ、ハンドルを握る手に予想外の反力を感じでちょっと驚きです。感覚的には内へ内へという方向で切ってくれるようです。車線からはみ出す事はありませんので他車がいなければ気になる程度ではありませんが、カーブの内側に他車がいると「ふくらんで来ないかな?大丈夫かな?」とちょっと気になります。

 もちろん車線を見ているのではみ出すことはもちろん、ギリギリまで寄せることもないと思いますが、自分で操作しているとクルマがいたら無意識に避けていたのでしょうね、予想に反した切り込みなのでこれも慣れるまではおおっ!と思います。

 カーブの途中でハンドルを放すような勇敢な人はそういないと思いますが、インターチェンジなどで小さなカーブに入ると当然減速しますので、カーブの途中で機能が切れます。ある程度の力でハンドルを握っていれば急に反力が無くなるので気づきますが、勇敢な人は相当気をつけないと危ないです。

 ちなみにインターチェンジのような危険な場所ではやりませんが、自動操舵している時にハンドルってどう動くんだろう?などと思って手を放してみたところ「ハンドルを握れ!」と警告されます。いわゆる「自動運転」ではないのできちんと操作する意志を示せということなのでしょうね。

 実際自動操舵が効いているところで手を放すなんて、ちょっとお試しでも怖いと思ったので普通はやりませんよね。ただこう警告されると「何で見てるんだろう?」と疑問が湧いてきて、力をすごく弱めたり、指一本で支えてみたり、でも何かしら触っていると警告は出ませんでした。触っていることを検知するセンサーでもあるのでしょうかね。

 

車速維持機能 

 いよいよオートクルーズと前車追尾です。市街地では前車の監視をしているのは経験済みですが、オートクルーズにすると明らかに前車を見るような表示が出るので一応機能としては別物のようです。

 場所は首都高速湾岸線。いつもは普通車で流れ次第でいろいろペースを変えて走るのですが、軽自動車でもあるしオートクルーズの体験なので、左車線で制限速度に速度設定してスタートです。といっても車速が機能を有効にできる速度域でないと設定ができないので、速度セットは走行中にすることになります。車線維持は機能を有効にすれば低速で作動しないだけで設定が解除されることはなかったので走りながら何かすることはなかったのですが。

 本当は他にやり方あるのかも知れませんが、走行中に「SET」をすると現在の車速が設定されます。この時は83㎞。半端でも問題はないですが何か気分の問題で80㎞に調整。下り坂ではエンブレを使って、上り坂では勝手にアクセルを入れて車速をしっかり維持してくれます。

 メーター読みなので実際の速度の振れはわかりませんが、さしあたり速度計の針はほとんど動かない状態でキープしてくれます。車線も維持しているのでハンドルに軽く手を乗せ、足は余計にペダルを踏まないように床にベタ置き。一応用心はしていますが自動ブレーキもあるので安心快適です。

 前車追尾はさすがに安全距離をキープなのでちょっと離れ気味ですかね。そのおかげで前の前とかが詰まっても慌ててブレーキをかけることもなくゆっくり減速してくれるので乗車のストレスはありません。ちょっと緊張感も緩むよなーなどと思ったその時。

 左からの合流です。自分で操作しているとタイミングと速度を見て加速、減速調整しますが、さてこの場合はどうなるのだろうか?と、まあいつ自分で操作するでも対応できるように構えて、自動運転のお手並み拝見です。

 とはいえ自動で走ってきたので前車との間隔も十分あり、自分で運転していたら何の心配もなく前に入ってもらう距離だったので特に緊張もなく眺めていましたら、

結構な勢いで減速されました。ちょっと急ブレーキな感じで思わずバックミラーを見てしまうほどです。

 そうです。合流したクルマが前車になるので車間距離を維持するために減速したんですね。それも慌てて。

 自分で操作していたら当然前の距離と速度と、後ろの確認をして、徐々に減速するか、危なかったら車線を変える判断をするところですが、クルマは前と車線しか見ていないので減速の一択になる訳です。幸い後ろにクルマはいなかったので結果として危険なことにはなりませんでしたが、感覚的にはかなり怖かったです。 

 よせば良いのにそのまま走り続けたら、また合流。というか、車間距離が大きく開いているので合流でなくても普通に割り込まれます。「また減速!」と思ってアクセルを踏んでも、自動の反応の方が早いので一瞬減速はします。クルマが自分で減速している、制動がかかっている時はアクセルペダルに反力があって、少し強めに踏み込まないと加速しません。もっとも加速したとしても一瞬減速して、ブレーキランプも点灯しているはずですから後続車の距離によってはパニックになりかねない挙動ではないかと思いました。

 

 ちょっと怖かったのですが、もう一つ確かめたいことがあってそのまま走行しました。

 確かめたかったのはオートクルーズ時のカーブ。自分で操作すると減速して入るコーナーがあるのですが、自動操舵と速度維持ってどこまでやってくれるのだろうか?ということです。

 結論から言うと、運転者が負けました。60㎞くらいで入るコーナーに90㎞設定のまま突入したのですが、減速もせずおそらく正確にトレースしていたと思います。けれどクルマのロールが大きくて、怖くてブレーキ踏んでしまいました。

 

結論

 体験記のつもりだったのでだらだら書いてしまいましたが、あまりにだらだらなので整理してみます。

 端的に結論と言ってしまえば、レベル2とはいっても運転支援システムはすごいというのが率直な感想です。

 確かに違和感や怖い思いはありましたが、「あっ!」と思うことはほとんどありません。例えば橋の上などで急な横風に見舞われても車線維持がしっかり修正してくれます。すぐ横を大型トラックが通り過ぎて風に巻き込まれる時もやはり車線維持は仕事をしてくれます。

 また前の前とかに急な割込みがあって前車が急ブレーキをかけても、急ブレーキにはなってもパニックブレーキほどにはなりません。人が運転していると前車の急ブレーキにまず驚くと思いますが、クルマが見て入れば淡々と前車の距離を見て減速してくれます。

 自分の普段の運転からすれば違和感はありますし、首都高速のようなクルマの多いところは思うところはありますが、皆が自動運転を使えば事故は限りなく減るのではないかと実感できる体験でした。

 ただ、そうなると人の運転技術が低下してしまうのではないかということだけが心配ですが。